綾井(読み)あやい

日本歴史地名大系 「綾井」の解説

綾井
あやい

大阪湾と信太山しのだやま丘陵との間に広がる平野部で、芦田あしだ川左岸、大鳥郡南端に位置する。江戸時代に市場いちば南出みので大園おおぞの新家しんけ土生はぶ五ヵ村を綾井村といったが、中世に大園・新家土生などは取石とろしのうちであったと考えられるので、中世後期の綾井は市場・南出付近とみられる。なお江戸中期に泉郡綾井村(現泉大津市)が成立するが、大鳥郡綾井五ヵ村との関係は明らかでない。

延文五年(一三六〇)六月日付の田代顕綱軍忠状(田代文書)に「(四月)廿六日、泉州御共仕、於当国綾井城、致警固、仍毎日御着到明鏡也」とみえ、大鳥郷上条かみじよう(現堺市)地頭の田代顕綱が、和泉守護細川業氏に属して足利方軍として綾井城の守備に当たっており、同城は北朝方の軍事的拠点であったことがわかる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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