練条機(読み)れんじょうき(その他表記)drawing frame

改訂新版 世界大百科事典 「練条機」の意味・わかりやすい解説

練条機 (れんじょうき)
drawing frame

紡績工程のカードまたはコーマーで作ったスライバー(篠(しの))を数本平行に並べて(ダブリングという),表面速度の異なる上下1対のローラーの間で引き伸ばし(ドラフト),均一で繊維が平行に伸ばされたスライバーを作る機械(図)。綿紡では6~8本のスライバーを供給し,3~4対のローラーの間で6~10倍のドラフトを与える。次に絞られて1本のスライバーとなり,大きなものでは直径50cm程度のケンス(円筒容器)にコイル状に収容される。ケンスがいっぱいになると自動的に停止し,ケンスを自動交換する。数本のスライバーから1本のスライバーを作る部分を尾(デリベリー)といい,1台の機械で2~4尾をもつ。ドラフト部の繊維を把持する上部ローラーの数がn,下部ローラーの数がmであれば,n/m線式のドラフト方式と呼ぶ。長繊維の場合には,ドラフト部に櫛状のギルフォーラーまたはポーキュパインを用いる。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「練条機」の意味・わかりやすい解説

練条機
れんじょうき
drawing frame

紡績機械一つ。工程の前段階で繊維の塊を分解し,雑物短繊維を除き,繊維をそろえ,紐状のスライバにしたものを,数本ずつ集めてさらに太さを均一にし,次の工程である粗紡機に供給する役割を果す。

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