置恩寺(読み)きおんじ

日本歴史地名大系 「置恩寺」の解説

置恩寺
きおんじ

[現在地名]新庄町大字寺口

寺口てらぐち本郷ほんごう集落の西端、奈良盆地を一望する高所に位置。「ちおんじ」ともよぶ。医王山あるいは布施山と号し、高野山真言宗。本尊薬師如来。寺伝に神亀年間(七二四―七二九)行基の開基で、文徳天皇の勅願所であったという。布施氏(置始氏)の氏寺。寛正六年(一四六五)八月一八日の布施置恩寺宛の御嶽並丈六年貢寄進状(一乗院門跡二条家文書)に、置恩寺は「当家祈願寺云云」とみえ、古くから栄えた寺であった。治暦三年(一〇六七)一〇月の戒経略作法(河内金剛寺記)に「葛下郡字布施寺正名(置カ)恩寺」とあり、また「大乗院寺社雑事記」文正元年(一四六六)一〇月一七日条に「布施寺号知恩寺焼失、可歎々々、名木松炎上云々」とあり、置恩寺が布施寺・知恩ちおん寺と称したことが知られる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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