羽地仕置(読み)はねじしおき

日本歴史地名大系 「羽地仕置」の解説

羽地仕置
はねじしおき

別称 四代羽地王子仕置 一冊

解説 羽地朝秀(向象賢)の摂政期(一六六六―七三年)に布達された文書を集成したもの。断簡を除く収録文書は二七件。羽地の改革路線を伝える公文書過半を占めるが、彼の個人的な感懐を述べたものもある。年号干支を付すものがあるほか、年代推定の手掛りを含まない文書もある。成立事情は不明だが、羽地が心血を注いで王国改革を主導した状況を伝える貴重な史料文中に登場するいわゆる日琉同祖論は、国王の久高島行幸を改革するための論拠の一部として主張されているもの。京都大学総合博物館蔵「琉球資料」に写が収められており、「東恩納寛惇全集」二に「校註羽地仕置」が載る。

活字本沖縄県史料」前近代一

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の羽地仕置の言及

【向象賢】より

…彼の政治は島津侵入事件(1609年の琉球征服)により幕藩体制の一環に編成された王国の現実を直視し,王国古来の伝統をいかに幕藩体制的秩序に再編成するかに主眼がおかれた。王府機構の整備,役人の服務規程の明確化,開墾と生産増進策,固有信仰や伝統的価値観の規制などがそのおもな内容をなし,布達文書集《羽地仕置》にその施策の本質をうかがうことができる。周到な戦略家であると同時に激しい気性の自信家でもあった。…

※「羽地仕置」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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