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羽衣物 はごろももの

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

羽衣物
はごろももの

日本の演劇,舞踊,音楽の曲の分類用語。羽衣伝説を題材とする曲の総称。 (1) 能『羽衣』 三番目物。シテ-天人,ワキ-漁夫白竜 (はくりょう) 。世阿弥作。最古の上演記録は天文 17 (1548) 年。 (2) 長唄による歌舞伎舞踊『天人羽衣』 本名題『羽衣寿曾我』の3番目の所作事。延享2 (1745) 年江戸市村座で1世瀬川菊之丞 (天人) により初演。2ヵ所の部分が外座音楽に利用されている。 (3) 一中節『松の羽衣』 文化年間末に1世菅野序遊作曲。作詞者は疎柳。 (4) 山田流箏曲『松の羽衣』 (3) を一中節から山田流に移したもの。三弦に比して高音の箏を加え派手に扱う。 (5) 長唄・常磐津節掛合の歌舞伎舞踊劇『羽衣』新古演劇十種の一つ。 1898年東京歌舞伎座で,5世尾上菊五郎,尾上栄三郎らにより初演。作詞は3世河竹新七,作曲は 13世杵屋六左衛門,5世杵屋勘五郎,5世岸沢古式部の合作。 (6) 常磐津節『松廼 (の) 羽衣』 7世岸沢古式部の 97年前後の作曲と推定される。2ヵ所の長い合方が特色。 (7) 長唄『新曲羽衣』 半井 (なからい) 桃水作詞,3世杵屋栄蔵作曲。 1918年長唄鶴命会で発表。 (8) 長唄『羽衣』 6世杵屋弥三郎作曲。 28年発表。 (9) 長唄『羽衣』 杵屋正邦作曲の新舞踊曲。 48年発表。なお箏組歌『羽衣曲』 (北島検校または牧野検校作曲,奥組歌) は羽衣伝説とは無関係。常磐津節『三保の松』 (本名題『三保松富士晨明〈ふじのあけぼの〉』,1892年6世岸沢式佐作曲,河竹黙阿弥作詞) は,能『羽衣』をふまえた辞句があるが,主眼は駿河付近の叙景。

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