六訂版 家庭医学大全科 「老人性紫斑」の解説
老人性紫斑
ろうじんせいしはん
Purpura senilis
(皮膚の病気)
どんな病気か
60歳を超える高齢者の両前腕から手背に好発する
原因は何か
老化に伴う皮膚結合組織の基質的な変化が指摘されています。つまり、真皮の厚さが減り、
症状の現れ方
外的刺激を受けやすい両前腕および手背に暗紫紅色調のしみ出したような斑状の紫斑がみられます。初めは赤紫になっていますが、そのうちに橙黄色になり、消えていきます。一般的に痛みなどは伴わないことが多いのですが、ごくまれに刺すような痛みで発症することもあります。
検査と診断
肝機能、出血凝固系検査などを行い、全身的な異常の有無に注意します。
治療の方法
数週間で退色し、消えていくので治療の必要はありません。機械的刺激により発症するので、手袋や腕抜きなど皮膚の保護を考慮するようにします。
病気に気づいたらどうする
副腎皮質ステロイド外用薬を使った場合にも同様のステロイド紫斑を生じることがあるので、一度は最寄りの医療機関で相談してみることをすすめます。
妹尾 明美
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報