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紫斑 シハン

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デジタル大辞泉の解説

し‐はん【紫斑】

紫色の斑紋。
皮膚や粘膜の組織中に出血することによって起こる紫色の斑点。

出典|小学館 この辞書の凡例を見る
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
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栄養・生化学辞典の解説

紫斑

 皮下,粘膜下の出血.

出典|朝倉書店
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家庭医学館の解説

しはん【紫斑 Purpura】

[どんな病気か]
 皮膚や粘膜(ねんまく)内の出血によって肌の上にできる赤紫色の斑(はん)(まだら、むら)を紫斑といいます。出血は血液が血管の外に漏(も)れ出る状態で、その程度によって、小さな点状紫斑(てんじょうしはん)から大きな斑状紫斑(はんじょうしはん)までできます。皮下出血(ひかしゅっけつ)をおこすと、血腫(けっしゅ)の状態になります。これは通常は赤紫色ですが、皮膚表面に近いところの出血では赤みが強く、深いところの出血では青みを帯びてみえます。そして、時間がたつにつれ、褐色から橙黄色、淡黄色へと変化し、やがて薄らいでゆきます。
 このような紫斑が主症状となる病気を紫斑病(しはんびょう)といいます。紫斑のおこり方により症状にちがいがみられますが、紫斑症状のみで病気を診断することは困難です。紫斑病には多くの原因があるからです。原因となるそれぞれの病気については、コラム心因性紫斑」を参照してください。
●紫斑をみたときに注意すること
 紫斑の原因である出血には、皮膚だけの出血と、全身に出血傾向をみる場合とがあります。
 とくに、内臓からの出血には注意しなければなりません。口腔粘膜(こうくうねんまく)、歯肉(しにく)、鼻粘膜(びねんまく)などからの出血、関節内出血、血尿(けつにょう)、下血(げけつ)、性器出血などがないかをよくみましょう。血小板(けっしょうばん)の減少や凝固因子(ぎょうこいんし)の障害がある場合などは、皮膚の紫斑に内臓の出血傾向をともなうため、生命にかかわることもあります。
 これらに比べ、血液学的に異常のない血管性の紫斑は皮膚症状が主体になり、予後は一般に良好です。
 紫斑がいつごろからおこってきたのかは病気の性質を知るうえでたいせつです。子どものころからの出血傾向は、血液を固める機能(凝固能(ぎょうこのう))の先天的な障害によることがあります。先天的障害は家族性に発症することがありますから、家族のなかに紫斑をおこしやすい人がいるかどうかを確認します。
 発症の誘因があるかどうかを観察することもたいせつです。薬剤の使用歴、感染症、打撲(だぼく)などの物理的刺激、内臓疾患の存在などを観察します。
[検査と診断]
 先に述べたように、紫斑には血管の障害によるものと血液の病気によるものとがあります。まず、出血をもたらす原因がどこにあるかを調べる必要がありますので、血小板の数や血液凝固因子に関する検査を行ないます。それに異常がない場合は、血管の障害によることを考え、病理組織学的検査を行ない、血管に異常がないかを細かく検査します。
 血管性紫斑のなかには、老人性紫斑病(ろうじんせいしはんびょう)など、症状に特徴があって、すぐに診断がつくものもありますから、症状をよく観察することもたいせつです。
 治療と予防については、コラム「心因性紫斑」を参照してください。

出典|小学館
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大辞林 第三版の解説

しはん【紫斑】

皮下などに出血によって生ずる紫色の斑点。溢血いつけつ斑。

出典|三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

紫斑
しはん

皮膚内および皮下組織内における出血斑の総称で、紫斑病ともいう。大きさによって分けられ、小さいほうから点状出血斑、斑状出血斑、びまん性出血斑とよばれる。紫斑の色調は、出血している部位や時間経過に伴いさまざまで、浅いものは鮮紅色調、深いものは赤紫色調である。これらは時間の経過とともに褐色から黄褐色調を帯び、しだいに消退していく。鮮紅色調の紫斑はときに紅斑と区別しがたいことがあるが、紅斑とは異なり、ガラス板で圧を加えても色調が消退しないことから鑑別できる。紫斑はそれを引き起こす種々の原因によって次のような三つに大別される。
(1)血管の障害による紫斑 原因疾患としては、後天性のものとして敗血症などの感染症、薬物アレルギー、ビタミンC欠乏による壊血病、慢性腎(じん)不全などに伴う尿毒症、糖尿病、動脈硬化症、そのほか血清タンパク異常である高グロブリン血症、クリオグロブリン血症などがある。また皮膚アレルギー性血管炎、シェーンライン‐ヘノッホSchnlein-Henoch病、結節性動脈炎などの血管炎も、その代表的疾患である。なお、打撲に伴う機械的紫斑もこのなかに含まれる。一方、遺伝性出血性末梢(まっしょう)血管拡張症(オスラーOsler病)は先天的な血管脆弱(ぜいじゃく)性のために紫斑をしばしば引き起こす。
(2)血管外結合組織の異常に伴う紫斑 たとえば老人にしばしば認められる老人性紫斑をその代表とするが、ほかにエーラース‐ダンロスEhlers-Danlos症候群などの遺伝性疾患やクッシング症候群にも伴うことが多い。
(3)血小板減少による紫斑 白血病などの血液悪性腫瘍(しゅよう)、再生不良性貧血、骨髄線維症、悪性貧血などといった血小板産生障害を引き起こす疾患群や全身性紅斑性狼瘡(ろうそう)などの膠原(こうげん)病、特発性血小板減少性紫斑病(ウェルホーフ病)や薬物アレルギー、脾(ひ)機能亢進(こうしん)症などにみられるように血小板破壊の亢進によって引き起こされる。また体内での血小板の消費が異常に亢進した状態、たとえば重症熱傷(やけど)や重症感染症、悪性腫瘍末期などにみられる血管内凝固症候群や血栓性血小板減少性紫斑病などでも認められる。ときに保存血の大量輸血などのように、体内の血液が急速に希釈されたときにも生ずることがある。
 治療は、紫斑を引き起こした原因となる疾患を正しく把握することがもっともたいせつであり、それに伴い種々の治療法が選択されるべきである。[古江増隆]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
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