老年期痴呆治療剤(読み)ろうねんきちほうちりょうざい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「老年期痴呆治療剤」の意味・わかりやすい解説

老年期痴呆治療剤
ろうねんきちほうちりょうざい

老年期痴呆には,脳血管性痴呆とアルツハイマー型痴呆とがあるが,どちらについても,本質的に痴呆症状に対する治療薬といえる薬剤は,まだない。ただし,今後患者の増加が見込まれるため,新薬開発焦点の一つになっている。今のところ,脳循環改善剤,脳代謝賦活剤と呼ばれる薬剤が主流である。また,痴呆患者では脳内の神経伝達物質が減少していることから,それらの物質を補ったり,分解を抑制する作用を持つ薬剤を開発しようという方向や,神経成長因子などを投与して,残存する神経線維から神経ネットワークを再建しようという方向からの検討も始まっている。一方,老人性痴呆薬の第1号となったホパンテン酸カルシウムは,11例の死亡を含む 47件の副作用が報告されたことから,1989年3月,劇薬に指定されるとともに,使用対象を限定する措置が取られた。(→認知症

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

機械メーカー。トヨタグループの総本家で,繊維機械のほかトヨタ自動車からの小型商用車の受託生産,エンジンその他の自動車部品,フォークリフトなどの産業用車両の生産も行なう。1926年豊田佐吉が,みずから発...

豊田自動織機の用語解説を読む