老年痴呆(読み)ろうねんちほう(その他表記)senile dementia

翻訳|senile dementia

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「老年痴呆」の意味・わかりやすい解説

老年痴呆
ろうねんちほう
senile dementia

一般的な用語としては,老年精神障害の一つである老年期に起きる痴呆全般をさすが,医学用語としては,老年期の痴呆の原因となる代表的な疾患をいうことが多い。脳の病理組織学的所見アルツハイマー病と同質であるため,アルツハイマー型老年痴呆 (senile dementia of Alzheimer type=SDAT) ともいう。大脳は萎縮して神経細胞が脱落するため,記憶力の低下,抑うつ気分,性格の変化などが始り,やがては日常生活の能力も低下して寝たきりの状態に陥り,痴呆が高度になると数年の経過で全身衰弱のため死にいたる。効果的な治療法はない。(→認知症

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改訂新版 世界大百科事典 「老年痴呆」の意味・わかりやすい解説

老年痴呆 (ろうねんちほう)

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世界大百科事典(旧版)内の老年痴呆の言及

【痴呆】より

…外力による頭部外傷でもおこる。老年痴呆は脳血管損傷がないのに60歳代で急激に痴呆をきたすものをいう。一般に脳の広範囲の器質障害に基づくもので,物忘れ,時間や場所の見当識障害が進行する。…

【老化】より

…しかし知的能力については,知的活動をどれだけ続けているかによって,個人差が大きい。脳の萎縮が進行し,変性を生じると起こるのが老年痴呆(ちほう)(老人性痴呆)である。このほか,脳血管障害による精神疾患をはじめ,老人の精神疾患の有病率は高い。…

【老人性痴呆】より

…65歳以上に発症する脳萎縮に基づく痴呆を主徴とする老年精神病をいい,医学的には老年痴呆という。65歳未満に発症する初老期痴呆の一つであるアルツハイマー病と病理学的には差がない。…

※「老年痴呆」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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