老水夫行(読み)ろうすいふこう(その他表記)The Rime of the Ancient Mariner

改訂新版 世界大百科事典 「老水夫行」の意味・わかりやすい解説

老水夫行 (ろうすいふこう)
The Rime of the Ancient Mariner

イギリスの詩人S.T.コールリジの代表作。ワーズワースとの共著抒情歌謡集初版(1798)の巻頭を飾り,2巻本再版の巻末に置かれた。老水夫アホウドリを射殺した罪の結果,罰として仲間とともに南極近くにまで流され,神秘的体験を経て故郷に帰還するという筋の,バラッド形式の物語詩。超自然的様相を呈する自然現象,幽霊船上の〈生きながらの死〉,月下海蛇の美への感応などの象徴的イメージを用いて,自然から離反した精神の奈落の感覚や,逆に自然と一体化した精神の至福をみごとに描き出した超自然詩の傑作である。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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世界大百科事典(旧版)内の老水夫行の言及

【コールリジ】より

…95年にはワーズワースと出会い,文学的な友情を交わし,その成果は《抒情歌謡集》(1798)となって結実する。初版の巻頭を飾った《老水夫行》は,罪のない鳥を殺した水夫の贖罪と愛による魂の救済をテーマにしたバラッド形式の物語詩である。これは〈超自然詩〉の新ジャンルを開拓した。…

※「老水夫行」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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