デジタル大辞泉
「奈落」の意味・読み・例文・類語
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ならく【奈落・那落・捺落】
- 〘 名詞 〙 ( [梵語] naraka の音訳 )
- ① 仏語。地獄。泥犁(ないり)。ならか。ならくか。
- [初出の実例]「真如捺落。在二善悪之因縁一」(出典:本朝文粋(1060頃)一三・為空也上人供養金字大般若経願文〈三善道統〉)
- 「大地がさうへさっとさけて、兄弟の者共はならくを指てしづみけり」(出典:幸若・小袖乞(室町末‐近世初))
- ② 地獄におちること。
- [初出の実例]「調達誦二六万蔵経一、猶不レ免二那落一」(出典:往生要集(984‐985)大文四)
- ③ 物事のどん底。最終のところ。奈落の底。
- [初出の実例]「ならくまでも勘当ぞ」(出典:浄瑠璃・文武五人男(1694)名所尽し)
- ④ 劇場で、舞台や花道の下に設けられた地下室。回り舞台やせり出しの装置などがある。地獄。〔戯場楽屋図会(1800)〕
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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奈落
ならく
地獄の意。サンスクリットのナラカnarakaの音訳語で、那落迦、捺落迦、那羅柯とも記す。漢訳では地獄のほか、悪道、不可楽、不可救済、非行、闇冥(あんみょう)と訳す。同義語にニラヤniraya(泥犂、泥黎耶)がある。生前に悪業(あくごう)をなした者が、死後その報いとして呵責(かしゃく)を受け罪を償う地下の牢獄(ろうごく)をいう。転じて、物事のどん底、どん詰まりの意に用い、また、劇場の舞台や花道の下に設けられた地下部分をもいう。
[丸山孝雄]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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奈落 (ならく)
劇場用語。舞台や花道の床下の総称。大正初期までの劇場は床下が4,5尺で,暗くて地獄の奈落の底のようであったことから,この称がある。回り舞台,セリ,スッポンなどの発達により床下も深さが必要となり,現在では動力機構装置が能率的に設置され,明るい地下室になっている。大道具製作場,各種倉庫,電気室などとして利用するところもある。
執筆者:難波 良三
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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奈落
ならく
劇場用語。舞台下の地下室で,舞台機構の機械などが置いてある場所。照明の不備だった江戸時代は真暗で地獄のようだというので名づけられた。今日では観客席の下まで広がり,明るくなっている。
奈落
ならく
仏教用語。サンスクリット語 narakaの音写で,地下にあるとされる世界。地獄と同一視される。言葉としては古く,ベーダ文献に現れている。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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普及版 字通
「奈落」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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世界大百科事典(旧版)内の奈落の言及
【地獄】より
…[極楽][地蔵]【山折 哲雄】
【インド】
〈地獄〉の語は元来サンスクリットのナラカnarakaまたはニラヤnirayaの訳で,地下にある牢獄を意味する。奈落(ならく)または泥犂(ないり)は音訳。仏教の世界観によると,贍部洲(せんぶしゆう)(われわれの住む大陸)の地下に種々の地獄がある。…
※「奈落」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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