聖峠(読み)ひじりとうげ

日本歴史地名大系 「聖峠」の解説

聖峠
ひじりとうげ

聖山頂(一四四七・六メートル)を東へ下った肩部(一三五〇メートル)の地点で、東筑摩ひがしちくま郡と更級郡の郡境となっている。更級郡第一の高所の峠路であり、東と南と北が開け、川中島平と千曲川の眺望は絶佳である。

この峠路を松本まつもと街道とも称し、新町しんまち村・里穂刈さとほかり村(現上水内かみみのち郡信州新町)から渡し船下市場しもいちば村に渡り、牧之島まきのしま村・牧田中まきたなか村・中牧なかまき村を通って峠に達する道筋が中心である。村々からの道筋もここに集まって峠を越し、南斜面を下って麻績宿おみじゆくで善光寺道に連なり松本に達する。

この峠路は、伊勢参りの人々や松本への商人も通った道であり、荷物を付けた牛馬も通った。

享保九年(一七二四)の「信府統記」に「一ひぢり口 更級郡ナリ、筑摩郡麻績ヨリ上井堀村ノ境、山路ナリ、聖山トイフ、番人権兵衛」とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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