聖書物語(読み)セイショモノガタリ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「聖書物語」の意味・わかりやすい解説

聖書物語
せいしょものがたり

旧約聖書』39巻、『新約聖書』27巻の全部あるいは主要部分を子供や一般の大人のためにわかりやすい物語にしたもの。子供の本の実質的な誕生は17世紀イギリスのピューリタンによる宗教教育の本とされているが、それらの一冊であるナサニエル・クラウチNathaniel Crouchの『子どものための神さまの本』Youth's Divine Pastime(1691)に聖書の36の物語が韻文化されて含まれている。その後18世紀の教訓主義時代に数多くの類書が生まれ今日に至っている。児童文学としてよく知られているのは、精神史的な面を強調したヘンドリック・ウィレム・バンローンのもの(1923)と、物語性を特徴としたウォルター・デ・ラ・メアの旧約のみのもの(1929)で、大部分が「歴史性」重視か「文学性」中心かに分類されよう。

神宮輝夫

『バン・ローン著、吉田新一訳『聖書物語』(1977・春陽堂文庫)』『ウォルター・デ・ラ・メア著、阿部知二訳『旧約聖書物語』(1970・岩波書店)』

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