国指定史跡ガイド 「聖福寺境内」の解説
しょうふくじけいだい【聖福寺境内】
福岡県福岡市博多区御供所町にある寺院跡。安国山聖福寺は、1195年(建久6)、栄西(ようさい)が宋から帰朝したのち、鎌倉幕府に申請して、博多に居住していた宋人が建立した百堂の跡地に建てられたもので、日本最古の禅宗寺院。1969年(昭和44)に国の史跡に指定された。たびたびの兵火にかかって寺は焼失したが、第110世耳峰玄熊は小早川隆景の庇護のもとに諸堂を再建。隆景の寄進銘のある朝鮮鐘や「聖福寺古図」など、貴重な寺宝が現存し、玄熊は中興の祖と称せられる。寺域ははじめ方8町(約872m四方)、塔頭38院といわれたが、その後、寺域は半分に縮小され、塔頭(たっちゅう)のうち現存するものは、円覚寺・順心庵・節信院・幻住庵・西光寺・瑞応庵・広福庵などである。聖福寺に残る勅使門・三門・仏殿・方丈・開山堂・鐘楼などの建物は、江戸時代に再建されたものだが、三門・仏殿・方丈が一直線に並ぶ禅宗寺院の典型的な伽藍(がらん)配置を示している。JR山陽新幹線ほか博多駅から徒歩約15分。