精選版 日本国語大辞典 「方丈」の意味・読み・例文・類語
ほう‐じょう ハウヂャウ【方丈】
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
禅宗寺院における住職の居室、あるいは住職その人をさす。正堂(しょうどう)、堂頭(どうちょう)、函丈(かんじょう)などともいう。『維摩経(ゆいまぎょう)』「不思議品」で、問疾に訪れた文殊菩薩(もんじゅぼさつ)をはじめとする8000人の菩薩や500人の声聞(しょうもん)たちを、維摩居士(こじ)が、神通力(じんずうりき)をもって一丈(約3メートル)四方の小室に招き入れたという故事による。このことは、中国唐の道世(どうせい)の著した『法苑珠林(ほうおんじゅりん)』でも記されるから、かなり古くから伝えられた説である。住職は方丈にあって、修行者を教えることもあるから、単なる私室以上の意味があり、禅宗寺院では重要な伽藍(がらん)の一つとなっている。大禅院では前(まえ)方丈と内(うち)方丈の区別があり、前方丈は師が修行者に接し導く公的な場、内方丈は私的な居室とされることもある。中国では土間式であるが、日本では早くから和風の様式を採用したらしい。
[永井政之]
『横山秀哉著『禅の建築』(1967・彰国社)』
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報
「維摩経(ゆいまきょう)」の主人公である維摩居士の1丈四方の部屋。転じて,禅宗で寺の長老・住職のいる部屋をさす。中央部の奥に仏間,左右に檀那之間・礼之間・書院之間などを配す。書院造に仏間をあわせた建築物で,建物の前面に玄関をもつのが特色。玄関とは幽玄な禅の悟りに入る関門の意味で,日本住宅の玄関の由来もここにある。京都東福寺竜吟庵は現存最古の遺構。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…住職という呼称は,今日では宗派を問わず多く用いられているが,歴史的にみると,寺院最高位の僧職の呼称は時代により宗派により,またそれぞれの寺院によって,さまざまの異称や尊称がある。南都系や平安仏教系寺院では寺主(じしゆ),維那(いな),院家(いんけ),隠元(いんげん),浄土真宗や日蓮宗(法華宗)や時宗では上人(しようにん),禅宗では方丈,和尚,住持,長老(ちようろう)などの,住職をさす尊称がそれである。また,由緒ある大寺院ではその寺固有の歴史的呼称もある。…
…回廊の東には庫院(くいん),浴室,東司(とうす)など,西には僧堂,西浄(せいちん∥せいじよう)などが配される。法堂の北には方丈や客殿があり,伽藍周囲には塔頭(たつちゆう)と呼ばれる子院が置かれた。仏塔は中心部ではなく伽藍後方の高みに建てた。…
…明治以降は法的には一末寺としての取扱いをうけている。 塔頭の形態は,卵塔(らんとう),昭堂(しようどう),方丈(ほうじよう),僧堂,書院,庫裏(くり)などから構成される。禅僧の墓を卵塔あるいは無縫塔と呼び,四角,八角の台座に卵形の塔身をのせる。…
※「方丈」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報
地震や風雨などによる著しい災害のうち、被災地域や被災者に助成や財政援助を特に必要とするもの。激甚災害法(1962年成立)に基づいて政令で指定される。全国規模で災害そのものを指定する「激甚災害指定基準に...
9/11 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新