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肝癌 カンガン

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デジタル大辞泉の解説

かん‐がん【肝×癌】

肝臓癌

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百科事典マイペディアの解説

肝癌【かんがん】

肝臓癌。原発性肝癌ヘパトーマおよび胆管癌)と続発性肝癌がある。続発性のものは多くは消化器系癌の移転による。原発性肝癌は,肝硬変にひき続いて発生することが多く,ウイルス性肝炎,とくにB型肝炎キャリアに起こった肝硬変から発生する危険性が高い。
→関連項目γ-GTPC型肝炎マイクロ波凝固治療

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

肝癌
かんがん

肝臓癌」のページをご覧ください。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

肝癌
かんがん

肝臓にみられる上皮性の悪性腫瘍(しゅよう)で、肝臓自体から発生する原発性肝癌と、ほかの臓器癌が肝臓に転移する転移性肝癌がある。前者には肝細胞癌(ヘパトーマ)、胆管細胞癌(コランジオーマ)、両者の混合型、肝芽腫などがあるが、95%は肝細胞癌であり一般に肝癌(肝臓癌)といえば肝細胞癌のことをいう。[菅原克彦]

原発性肝癌

1998年(平成10)の主要悪性新生物による死亡総数は28万3921例と報告され、そのうち肝癌および胆管癌は4万8281例で、胃癌、気管・気管支および肺癌に次ぎ第3位である。1985年の世界での肝癌死亡者は、およそ31万5000人で、そのうち80%はアジア、アフリカ地区が占めており、先進7か国では日本の肝癌の年齢調整死亡率はもっとも高い。B型肝炎に起因する肝癌が多いのは中国、台湾、タイなどであり、C型肝炎から肝硬変を経て発癌することが多い肝癌は日本、イタリアなどに多発している。日本の98年の人口10万人当りの肝癌死亡率をみると西高東低の傾向がみられ、働き盛りの年代の男性に多いことが特徴である。
 HBs抗原が陽性である肝臓は肝癌発生母地とされているが、B型肝炎ワクチンおよびHBグロブリンの開発と母子感染防止事業により、約200万人とされたB型肝炎ウイルス(HBV)キャリア(保有者)は、1990年に入り漸次減少し94年は82万人と推定されている。一方、第二次世界大戦後の肺結核、消化器疾患などに対する手術療法、輸血療法や社会的混乱を背景とした経静脈的覚醒(かくせい)剤などの使用方法に起因すると推定されるC型肝炎ウイルスの無症候キャリア(無症状保有者)は69万人と推定されている。99年の日本肝癌研究会の報告では肝癌患者のC型肝炎ウイルス(HCV)抗体陽性率は74%、HBs抗原陽性率は16%であり、B型肝炎ウイルス患者への受動・能動ワクチンの使用効果が明白にみられている。一方、C型肝炎ウイルスには抗ウイルス剤であるインターフェロン(INF)療法の効果が不十分な型があり、肝癌への進展を阻止できないので、HCVワクチンの開発が必須とされている。
 また食品中の発癌物質としてはピーナッツなどの農作物にみられるカビ毒の一種アフラトキシンaflatoxinが注目され、経口避妊薬(ピル)の長期服用やアルコールの大量かつ長期にわたる飲用は発癌と関係があるといわれている。
 1970年ごろまでは進行癌で診断され、また転移といえない複数の肝癌病変が同時に診断される多中心性発癌症例が多かったため、肝癌切除後は再発が多く予後は不良であったが、80年ごろから早期の肝癌の診断が普及し、肝切除術が安定した術式として評価され、また肝癌内への経皮的エタノール注入療法(肝癌部にアルコールの一種であるエタノールを注入し癌を壊死(えし)させる方法)が開発され、優れた治療成績が得られるようになり、積極的な肝癌治療が普及した。
 症状は、全身倦怠(けんたい)感、食欲不振、腹部膨満感などの不定の腹部症状のほかは特徴的な症状に乏しい。黄疸(おうだん)、微熱、吐血や下血、手掌紅斑(こうはん)、腹水などは併存する肝硬変に由来する症状である。そのほか肝臓や腹部の腫瘤(しゅりゅう)を触診することがあるが、これらはいずれも進行癌の病状であって、積極的な治療対象になる早期の病態は無症状であることが多い。
 診断はこれらの諸症状のほか肝機能検査異常値、肝癌が産生する癌胎児性タンパク質であるアルファフェトプロテインα-fetoprotein(AFP)などの腫瘍マーカー(癌の存在を示唆する物質)や、HBs抗原、HCV抗体が陽性であることが次の診断過程に入る根拠となる。これら血液所見に基づき肝癌の存在を推定できれば、超音波エコー、各種CT(コンピュータ断層撮影)、MRI(磁気共鳴診断)、血管造影を施行し、肝癌の局在、大きさ、質、数、肝内脈管との関係などを診断する。また腹腔(ふくくう)鏡検査や超音波誘導下針生検が行われることがある。
 早期の病態の肝癌を診断するためには肝癌発生の高危険群である肝炎ウイルス陽性者を定期的に検診しAFPの測定、超音波診断を施行することの社会的認識と実施が必要である。
 治療には、肝切除術、経皮的局所療法である肝癌への経皮的エタノール注入療法、マイクロ波凝固療法、ラジオ波焼灼(しょうしゃく)療法のほか、肝動脈塞栓(そくせん)術、経肝動脈化学療法、全身的化学療法が肝癌の局在や大きさ、数、質、全身状態に応じて選択され、さらにこれら治療法を加重し、心療面での対応を含めた集学的治療が行われている。また診療施設によりそれぞれ創意と工夫による公開された特徴的治療技術が確立されている。
 肝切除術の適応は、癌の病巣が肝臓の一葉以下に限局し、肝機能検査値が正常で、糖負荷後の血糖曲線の型などで表現される肝臓の機能的予備力を含めた肝機能が維持されている症例に認められる。肝癌の直径が2センチメートル以下の細小肝癌では、第一選択の治療法である。右葉切除、左葉切除、区域切除、亜区域切除があり、手術中は超音波診断により癌腫と肝内脈管との関係を確認しながら施行する系統的切除が行われ、熟練者の手術では術中の出血量はほとんどない。1999年の第14回日本肝癌研究会の全国集計報告によると、肝切除は27.6%に施行されている。また切除手技は安定し、手術死亡率は1.4%、5年生存率は48%(専門施設では93%)である。術後は肝切除時には認識できなかった異時性の多中心性発癌への対策、肝硬変による肝不全、食道静脈瘤出血に留意する。
 経皮的エタノール注入療法は1999年の同様の全国集計では肝癌の27.6%に施行され、5年生存率は45%である。エタノール注入療法は肝癌の最大径が3センチメートル以内で病変数3個以下をもっともよい適応とされ、施設によっては5年生存率81.2%の好成績が得られている。経皮的マイクロ波凝固療法、ラジオ波焼灼療法は開発途上にある。
 肝動脈塞栓術は、癌病巣に栄養を送り込む肝動脈を閉塞する物質を開腹後肝動脈に、また経皮的に血管カテーテルから注入する方法で、塞栓物質に化学療法剤やリピオドールを併用するなどの工夫が行われている。また肝臓に流入する主幹動脈である固有肝動脈を結紮(けっさつ)することもある。
 進行肝癌に対して肝動注化学療法が選択され、肝動脈に挿入したカテーテルを皮下に埋め込んだリザーバーを介して体外のポンプに接続し、抗癌剤を持続か分割頻回動注入することが行われる。[菅原克彦]

転移性肝癌

癌転移は悪性腫瘍の特徴である生物学的性格で、局所性疾患から全身性疾患に発展したことの指標となる。癌転移のうちもっとも臨床頻度が高いのは転移性肝癌で、剖検時の肝転移は49%にみられ、原発臓器は大腸、胆嚢(たんのう)、乳腺、膵臓(すいぞう)、胃、肺の順位で、転移経路は血管、リンパ管のほか直接浸潤することがある。
 原発癌の診断と相前後して肝転移が発見される同時性肝転移と原発巣切除後の再発として診断される異時性肝転移がある。異時性で原発巣手術から経過年数が長いほど治療成績が良好である。肝転移病巣の非切除例では5年以上経過した症例が報告されていないので肝転移の切除療法の有用性が評価されている。
 症状は、上腹部痛、食欲不振、体重減少、腹部腫瘤、黄疸などである。診断は、肝機能検査値異常、癌胎児性抗原carcinoembryonic antigen(CEA)の高値のほか、各種CT、超音波エコー、肝血管造影などの画像診断による。
 治療は原発癌病巣の治癒切除と転移肝癌病巣の切除療法が望ましいが、進行癌が多いため肝癌切除後の肝臓での再発が43~78%にみられ、転移性肝癌治療が困難であることが示されている。
 同時性肝転移は開腹症例の23%にみられ5%が切除可能と診断されている。原発癌病巣および肝転移病巣の治癒切除が可能で、腹膜播種(はしゅ)、リンパ節転移がなく肝機能が正常で機能的予備力が保たれていれば肝切除の適応が認められ、肝転移病巣が10個以内であれば肝切除を推奨する積極的見解もみられる。
 直腸癌で異時性に診断される転移性肝癌切除例の5年生存率は40%の報告もみられるが、一般に進行癌が多く抗癌剤や肝動脈塞栓療法の効果が期待されている。[菅原克彦]

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世界大百科事典内の肝癌の言及

【肝臓癌】より

…肝癌ともいう。肝臓に発生する癌腫。…

※「肝癌」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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