肥やす(読み)コヤス

デジタル大辞泉 「肥やす」の意味・読み・例文・類語

こや・す【肥やす】

[動サ五(四)]
肥料などをほどこして地味をよくする。肥沃ひよくにする。「やせた土地を―・す」
栄養を与えて太らせる。「豚を―・す」
不当に利益を得させる。「私腹を―・す」
経験を積んで、もののよしあしを判断できる能力を豊かにする。「舌を―・す」
見たり聞いたりして心を満足させる。喜ばす。楽します。
一時が目を―・して何にかはせむ」〈更級
[可能]こやせる

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精選版 日本国語大辞典 「肥やす」の意味・読み・例文・類語

こや・す【肥・沃】

  1. 〘 他動詞 サ行五(四) 〙
  2. 地味をよくする。肥料などで土地を肥えさせる。肥沃(ひよく)にする。
    1. [初出の実例]「坏器を陶し、石田を沃(コヤシ)(〈別訓〉モヤシ)たまひぬ」(出典:地蔵十輪経元慶七年点(883)一)
    2. 「粟のこへには灰をまいてうゆるぞ。又は肥やさうとて、まかぬさきに地をやくぞ」(出典:両足院本山谷抄(1500頃)四)
  3. ふとらせる。ゆたかにする。
    1. [初出の実例]「食を択ばずして其の身を肥(コヤシ)て坐って死を須つのみ」(出典:世俗諺文鎌倉期点(1250頃))
  4. 目、耳などを楽しませる。また、批評眼や鑑賞力などをつける。
    1. [初出の実例]「一時が目をこやして何にかはせむ」(出典:更級日記(1059頃))

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