地味(読み)ジミ

デジタル大辞泉 「地味」の意味・読み・例文・類語

じ‐み〔ヂ‐〕【地味】

[名・形動]
形や模様などにはなやかさがなく、目立たないこと。また、そのさま。「地味服装」「地味づくり」⇔派手はで
性質や物の考え方生活態度などが、飾り気がなくて控え目なこと。また、そのさま。質素。「地味で目立たない生徒」「地味商売」「地味に暮らす」⇔派手
ちみ(地味)
[補説]「地味に」の形で、俗に、程度小さいが確かにある、また、はなやかさはないが良い、などの意で用いられることがある。「突き指地味に痛い」「地味においしいふりかけ」
[類語]つましい質素簡素つづまやかつつましいつつましやか質実清貧シンプル素朴純朴朴訥ぼくとつ質朴真率清楚実直実体じってい朴直篤実生一本まじめ生まじめ大まじめ真摯愚直

ち‐み【地味】

《「ぢみ」とも》ある土地の、生産力から見た質のよしあし。「地味の肥えた土地」
[類語]地質痩せ土肥え土

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「地味」の意味・読み・例文・類語

じ‐み ヂ‥【地味】

〘名〙
① (形動) 性格や様子などが、目立たなく落ち着いていること。また、そのさま。⇔派手(はで)
(イ) 服装・模様などが、はなやかでなく、質素なこと。かざりもなく、落ち着いていること。また、そのさま。
浮世草子・男色十寸鏡(1687)上「風もじみにして内証せはしからざれば」
浄瑠璃長町女腹切(1712頃)道行「じみなかかへおび、しゃんとむすんで引しめて」
(ロ) 性格や考え方、物事の処し方などがおとなしく質素なこと。また、そのさま。質実。
※玉塵抄(1563)一六「人のまことにぢみなことを云たかなにを云たやら」
(ハ) 色などが、はなやかでなく、くすんでいること。また、そのさま。
(ニ) 物事の内容や感じが目立たず、落ち着いていること。また、そのさま。
※詩学大成抄(1558‐70頃)六「もみぢや風流な花などは、一旦のもてあそび物なり。ぢみなことは、野菜のな、大根のつれがちよほう也」
② 土地に生じて食物となるもの。特に、米をいう。ちみ。
今昔(1120頃か)四「世に聖人皆失て誰が為にかと、此堅窂地神の地味(ぢみ)を五百由旬地の底に埋める也と」
十善法語(1775)三「はじめて地味をなめて、団食この身をたすく」
③ 地質のよしあし。ちみ。

ち‐み【地味】

〘名〙
① 土地が肥えているか、いないかの状態。土地の生産力の程度。地質の良し悪し。じみ。
名語記(1275)三「所の福したるを、ちみのよきといへり。如何。答、地味也。作物のよくいでくるをいへり。豊饒の地也」
② 土地に生じて食物となるもの。特に、米をいう。じみ。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

普及版 字通 「地味」の読み・字形・画数・意味

【地味】ちみ

土地の肥瘠

字通「地」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android