肺炎随伴性胸水と細菌性胸膜炎

内科学 第10版の解説

肺炎随伴性胸水と細菌性胸膜炎(胸膜炎)

(1)肺炎随伴性胸水(parapneumonic effusion)と細菌性胸膜炎(bacterial pleurisy)
概念・分類
 一般細菌による肺炎に伴った胸水と胸膜炎.肺炎が胸膜に波及し,血管透過性が亢進して生じた無菌性胸水を単純性肺炎随伴性胸水という.胸腔内へ細菌が進入して生じたものを複雑性肺炎随伴性胸水という.炎症がさらに進み胸腔内に膿が貯留したものを膿胸という(後述).
臨床症状・診断
 発熱,胸痛,呼吸困難などが生じる.胸部X線で胸水貯留を確認し,CT検査で胸水量,胸膜肥厚の有無,多房性か否か,肺内病変の評価を行う.胸水を採取し,pH, グルコースの測定,細胞分類,塗抹検査,培養検査(嫌気性培養を含む)を行う.細菌性胸膜炎の場合には好中球数の増加,pHの低下,グルコースの低下がみられる.起炎菌は原疾患(市中肺炎,院内肺炎)で異なる.2/3が好気性菌感染,1/3が嫌気性菌感染または好気性菌と嫌気性菌の混合感染である.起炎菌は市中肺炎の場合ミレリ連鎖球菌が最も多く,次が肺炎球菌,ブドウ球菌であり,院内肺炎ではMRSAが最も多く,次がエンテロバクター,腸球菌である.
治療
 原因となっている肺炎の治療として抗菌薬を投与する.単純性肺炎随伴性胸水は肺炎治療が奏効すれば消失する.複雑性肺炎随伴性胸水は膿胸に準じドレナージも行う.炎症が遷延し多房性の空洞が生じた場合には一部空洞のみのドレナージでは炎症が改善しない.胸腔鏡による多房化した空洞の除去が有効なことがある.[矢野聖二]
■文献
Light RW: Pleural diseases. 4th ed. Lippincott Williams & Wilkins, Philadelphia, 2001.

出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報

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