MRSA(読み)エムアールエスエー(英語表記)methicillin-resistant Staphylococcus aureus

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「MRSA」の意味・わかりやすい解説

MRSA
エムアールエスエー
methicillin-resistant Staphylococcus aureus

メチシリン耐性黄色ブドウ球菌略称で,院内感染のおもな原因とされている。強い毒性によって,免疫機能の低下している手術後の患者や,長期入院し複数の抗生物質の投与を受けている患者,または抵抗力の弱い老人などに感染し,肺炎敗血症などを引起す。各種の抗生物質に対して強い耐性をもつため,治療が非常に困難であり,死亡率も高い。治療薬としては,新生児にも使用の認められている数少い抗生物質である塩酸バンコマイシン,MRSA中の酵素によるアセチル化燐酸化などの不活化に対して安定で,しかも強い抗菌活性をもつ硫酸アルベカシン,ニューキノロン類のノルフロキサシン,b-ラクタム剤のコフメタゾール,フロモゼフなどがある。また,土壌細菌から得られたジペプチド型の化合物が強い抗菌活性を示したという報告もある。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

マイナ保険証

マイナンバーカードを健康保険証として利用できるようにしたもの。マイナポータルなどで利用登録が必要。令和3年(2021)10月から本格運用開始。マイナンバー保険証。マイナンバーカード健康保険証。...

マイナ保険証の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android