胡差市(読み)こざし

日本歴史地名大系 「胡差市」の解説

胡差市
こざし

一九四五年(昭和二〇年)九―一二月に米軍政府が制定した沖縄島中部の難民収容地区名。古謝こじや市とも記された。米軍政府指定の住民キャンプが置かれた越来ごえく嘉間良かまらを中心に、室川むろかわ越来ごえく安慶田あげだの各集落に避難民が収容され、キャンプ・コザと呼称された。当初嘉間良の収容所には読谷山よみたんざん(現読谷村)の人々が収容されていたが、沖縄戦終結とともに南部からの多数の避難民の流入により収容所の人口は激増し、六月には六千五〇〇人ほどに達した。同月には臨時村制が施行されて胡差村となり、村長選挙を実施、七月には初等学校が開校するなど、戦後復興の環境が整備された。同年九月に地方行政緊急措置要綱が公布されて市制を施行、市会議員市長選挙が行われ、市長に中地庸之が就任した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android