精選版 日本国語大辞典 「胴突」の意味・読み・例文・類語
どう‐づき【胴突】
- 〘 名詞 〙
- ① ( 「どつき(土突)」の変化した語という ) 地盤を突き固めたり、杭(くい)を打ったりすること。また、それに用いる具。やぐらを組んで、その中に太い丸太をたて(あるいは重い石を置き)数本の綱を丸太の根本に結び、その綱で引き上げては落として突き固めるもの。また、丸太に数本の足をつけ、その足を持って突く具にもいう。
- ② 丸太や長い棒を武具として用いたもの。
- [初出の実例]「熊坂の太郎はどうづきをおっとってどうどうとあてた」(出典:幸若・烏帽子折(室町末‐近世初))
- ③ 江戸時代、年末の煤払(すすはら)いに祝儀として、主人以下一同の胴上げをしたこと。胴上げ。
- [初出の実例]「胴築(ドウヅキ)や栄さら栄よ煤払」(出典:大和耕作絵抄(1688‐1704頃)煤払)
- ④ 釣りの仕掛けの一つ。最下端におもりをつけ、先糸に数本の枝針をつけたもの。
- ⑤ 城壁の上などに備えておいて、攻め寄せる敵の上に落とす太い丸太。胴木。
- [初出の実例]「壁につけたるだうつきども、ばらりばらりと切りおとす」(出典:中尾落草子(16C後))