煤払い(読み)ススハライ

デジタル大辞泉 「煤払い」の意味・読み・例文・類語

すす‐はらい〔‐はらひ〕【×煤払い】

屋内のすす・ほこりを払い清めて、大掃除をすること。多く、正月を迎える準備として歳末(昔は12月13日)に行う。煤掃すすはき。 冬》「―終へ祖父の部屋母の部屋/立子
[類語]清掃掃除煤掃き

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精選版 日本国語大辞典 「煤払い」の意味・読み・例文・類語

すす‐はらい‥はらひ【煤払】

  1. 〘 名詞 〙すすはき(煤掃)《 季語・冬 》
    1. [初出の実例]「召陰陽師等於御所、歳末年始雑事日申之。御煤払事有相論」(出典吾妻鏡‐嘉禎二年(1236)一二月六日)
    2. 「ささ竹をふる宮人や煤払〈宗因〉」(出典:俳諧・歌仙そろへ(1666))

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改訂新版 世界大百科事典 「煤払い」の意味・わかりやすい解説

煤払い (すすはらい)

年末に屋内の煤を払い,大掃除すること。最近では大晦日近くにするようになったが,近世以降12月13日と決めていた所が多い。かつてこの日に正月用の松迎えや節木伐りをする風が広くあり,また正月用の米をつくとか奉公人の出替り日としていた所があるなど,13日は新年の準備開始の日であった。この日を煤取節供煤掃きの年取と呼ぶ所があるように,煤払いは単なる大掃除という以上に年間の厄を取りはらう重要な折り目であった。そのため用いた笹竹ほうきつまり煤竹は神聖視され,道の辻などに納めて小正月の火祭に燃やす所が多い。また東北地方の一部ではこれを煤梵天煤男と呼んで,正月に庭や肥曳きの肥料の上に立てて注連縄(しめなわ)を張ったりし,北九州の一部では,とくに神棚や囲炉裏(いろり)の自在かぎを払ったほうきは丸く曲げて神棚にあげておく。煤払い後には神棚に灯明を点じ,小豆飯やだんごなどを供える所は多く,ふろに入ってから新たな気持ちで正月飾りを作る所もある。
掃除
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「煤払い」の意味・わかりやすい解説

煤払い
すすはらい

正月を迎えるにあたって、家の内外を清掃する年中行事。いろりで薪(たきぎ)を燃す生活では、煤のたまることが多かった。近来は実用的な大掃除(おおそうじ)の意味で、正月飾りの直前にあたる12月25日前後にする家が多いが、もとは年神(としがみ)祭りのための物忌みに入る日で、12月13日とするのが古風であった。この日を煤取り節供、煤の年取り、十三日節供などといい、神棚やいろりの自在鉤(じざいかぎ)などはとくに念入りに清め、魚や煮しめを煤神様に供える地方もある。竹竿(たけざお)の先に藁(わら)をくくりつけた煤払いの道具を、煤ぼんでんとか煤男とかいい、使ったあと屋外の雪の上や肥料の上に立てておき、年神様の依代(よりしろ)にする地方もあり、小(こ)正月のとんどの火で焼く所も多い。

[井之口章次]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「煤払い」の意味・わかりやすい解説

煤払い
すすはらい

日本の年中行事。年末に天井や壁にたまった煤を取除き大掃除をすること。近年は正月休みに入る 12月 29日とか 30日が多いが,伝統的には 12月 13日に行なった。この日は正月を迎えるための準備を開始する神聖な日であった。現在でも,煤払いのために特別に笹竹を用意し,終了後に神酒や赤飯を供え,正月のドンド焼きまで保存したりするところが多く,煤払い後に門松に使用する松や竹を山から切ってくる地方もある。また以前は奉公人の出替りの日でもあった。

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百科事典マイペディア 「煤払い」の意味・わかりやすい解説

煤払い【すすはらい】

煤掃きとも。新年を迎える準備として行う歳末の大掃除。江戸時代には江戸城をはじめとして12月13日が煤掃きと定められていた。年神祭の準備という信仰的な意味もあった。

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世界大百科事典(旧版)内の煤払いの言及

【掃除】より

…しかしはたきとよばれるようになるのは明治になってからで,江戸時代には〈采払い〉〈ちり払い〉とよんでいた。 掃除といえば年一度の大掃除,煤(すす)払いも重要である。〈煤掃き〉という語がすでに927年(延長5)完成の《延喜式》に見える。…

※「煤払い」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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