家庭医学館 「胸膜中皮腫」の解説
きょうまくちゅうひしゅ【胸膜中皮腫】
胸膜中皮腫という病気には良性と悪性があります。良性胸膜中皮腫というのは、腫瘍が胸腔いっぱいに広がらず、部分的に発育するもので、限局性胸膜中皮腫(げんきょくせいきょうまくちゅうひしゅ)ともいいます。良性ですから、胸腔に胸水がいっぱいたまることはありません。
手術で切除しますが、その成績はよく、怖い病気ではありません。
問題は、悪性胸膜中皮腫です。胸水の中に、がん細胞がたくさんみられ、胸壁や肺の表面にも腫瘍が広がっています。
手術で、胸膜も肺も全部摘出しますが、それでもよい結果はえられません。抗がん剤を温熱療法とともに使用しますが、その効果はほとんど期待できません。