脱政党化(読み)だつせいとうか

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「脱政党化」の意味・わかりやすい解説

脱政党化
だつせいとうか

有権者既存政党全般に対して失望して政党ならびに政党制度に対して信頼感を失っていく現象。その結果,無党派層が次第に増加する。アメリカや日本では 1970年代初頭までは,無党派層は政治的無関心な有権者群であると考えられていたが,その後政治的関心が高いが既存の政党に失望してどの政党も支持することを拒否してしまう有権者群の存在が発見された。そのなかには政治システム自体を拒否してしまうような「政治的疎外」の強い有権者もいるが,多くの無党派層は既存の政党には失望しているものの政治システムは認め,期待できるような新たな政党や無所属の候補者が現れれば,選挙ではその政党や候補者に投票する傾向を示す。脱政党化現象によって一般に選挙での棄権がふえ,投票率は低くなるが,上述のように新党や無党派への投票という形で既存の政党への不信表明になる場合もある。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android