脱酸剤(読み)だっさんざい(その他表記)deoxidizing flux

精選版 日本国語大辞典 「脱酸剤」の意味・読み・例文・類語

だっさん‐ざい【脱酸剤】

  1. 〘 名詞 〙 金属脱酸するときに用いられる物質鉄鋼ではフェロアロイアルミニウムなどが用いられる。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「脱酸剤」の意味・わかりやすい解説

脱酸剤
だっさんざい
deoxidizing flux

溶融金属 (溶湯) に添加して酸素を除去する造滓溶剤。溶湯には多くの気体元素が溶け込むが,なかでも酸素は金属酸化物となって凝固後まで残り,金属の性質を悪くする原因となることが多い。それで脱酸剤としては,溶湯金属より酸素に対する親和力が強く優先的に酸化物をつくり,それが軽くて溶湯面に滓化して浮くものが選ばれる。鉄鋼の溶錬ではフェロマンガンフェロシリコンなどの合金鉄や金属アルミニウム,カルシウムシリコン合金などが用いられ,銅ではリン銅,ベリリウム,リチウム,ケイ素,カルシウム剤,および造滓脱酸剤ではないが木炭末が用いられる。その他すべての金属を通じ,一酸化炭素,水素などは脱酸剤とはいわないまでも,それによる還元は脱酸処理であるし,真空溶解はさらに徹底した脱ガス処理である。

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