日本大百科全書(ニッポニカ) 「脳圧迫症」の意味・わかりやすい解説
脳圧迫症
のうあっぱくしょう
頭蓋内腔(とうがいないくう)が狭まって頭蓋内圧が高まり、そのために脳が圧迫されておこる脳機能障害をいう。頭蓋内圧の亢進(こうしん)する原因としては、頭蓋骨の変形(陥凹骨折や狭頭症)、頭蓋内占拠性病変(腫瘍(しゅよう)や出血)、髄液循環障害(水頭症)、脳組織の腫脹(しゅちょう)(出血性梗塞(こうそく)、髄膜炎、高血圧)などがあげられる。症状としては、脳が局所的に圧迫されているときには頭痛、嘔吐(おうと)、瞳孔(どうこう)不同、眼筋麻痺(まひ)、うっ血乳頭、片(へん)麻痺などがみられる。進行して脳幹部が圧迫されると、意識障害、呼吸障害、脈拍および血圧の異常がおこり、放置すると死亡する。
[加川瑞夫]