脳死移植(読み)のうしいしょく(その他表記)organ transplantation after brain death

共同通信ニュース用語解説 「脳死移植」の解説

脳死移植

呼吸や血液循環機能の調節、意識の伝達といった生命活動に不可欠な脳幹を含む脳全体の機能が失われ、二度と回復しないとされる脳死の状態で、心臓などの臓器を摘出して患者移植すること。臓器移植法で、臓器提供を目的とする場合に脳死で臓器を摘出できると定めている。脳波の平たん状態や自発呼吸の消失など6項目を確認して脳死を判定する。1997年施行の臓器移植法では、本人の書面による意思表示が必須だったが、2010年に全面施行された改正法では、本人が拒否していない限り、家族承諾による臓器提供や、15歳未満からの提供が可能になった。

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知恵蔵 「脳死移植」の解説

脳死移植

脳死を人の死と認め、脳死判定後、臓器を摘出して、他の人(レシピエント)に行う臓器移植。日本では、1999年2月、5月、6月と相次いで4例の脳死体からの移植が実施されたのに始まる。その後、脳死移植の例は増えている。それまでは、心臓死の後に行う死体移植、生存中の人からの臓器を移植する生体移植が行われていた。臓器移植法の成立(1997年6月)以降、臓器提供施設、臓器移植施設の整備、各種マニュアルの作成、移植ネットワークの確立、意思表示カード(ドナーカード)やシール普及などが進められた。

(今西二郎 京都府立医科大学大学院教授 / 2007年)

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