膈噎(読み)かくいつ

精選版 日本国語大辞典 「膈噎」の意味・読み・例文・類語

かく‐いつ【膈噎】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「膈」は食物が胸につかえて吐く病気。「噎」は食物が喉(のど)につかえて吐く病気 ) 胃癌または、食道癌の類という。かくやみ。かくやまい。〔書言字考節用集(1717)〕
    1. [初出の実例]「俗物も当推量にいふてな。隔噎(カクイツ)翻胃(ほんい)なる者は、なかなか又大に異なるものだて」(出典滑稽本浮世風呂(1809‐13)前)

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世界大百科事典(旧版)内の膈噎の言及

【癌】より

… 日本では,江戸時代に癪(しやく)・積聚と呼ばれた内科疾患に,胃癌のような悪性腫瘍が含まれていたと思われる。膈噎(かくいつ)といわれた食道狭窄症には食道癌もあったし,舌疽(ぜつそ)といわれたものはほとんどが舌癌であったと思われるが,江戸時代にもはっきり認識されていたのは,華岡青洲の麻酔手術で名高い乳癌であった。また1915年に山極勝三郎と市川厚一がウサギの耳にタールを塗って皮膚癌の発生に世界で初めて成功したことは注目される。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」