普及版 字通 「臧」の読み・字形・画数・意味


14画

[字音] ゾウ(ザウ)
[字訓] よい・おさめる・しもべ

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 形声
声符は(しよう)。〔説文〕三下に「善なり」とあり、〔詩、風、雄雉〕に「何を用(もつ)て臧(よ)からざらん」のように用いる。字の原義臧獲の臧。もと俘虜をいう語であろう。臣は神の徒隷としてつかえる臣僕。(しよう)はその臣僕に聖器であるを加えて祓う意で、すでに清められたのちに神に捧げられる。ゆえに臧善の義となったのであろう。卜文に、臣に戈(か)を加える形、また金文・古陶文に、と祝告の器である(さい)を加えた形の字がある。

[訓義]
1. よい、はらいきよめたもの。
2. おさめる、よくする。
3. しもべ、神の臣僕、亡奴をいう。
4. 蔵と通じ、おさめる、かくす。
5. 贓と通じ、かくす。

[古辞書の訓]
名義抄〕臧 ヨミス・オサフ・ヤハラカナリ・ヨシ

[声系]
〔説文新附〕一下(蔵)があり、(臓)はに従う。徐鉉の案語に、〔漢書〕にをすべて臧としるしており、は後起の字であるという。

[語系]
臧・dzang、贓tzangは声義の近い字。臧は臧獲、俘虜などを奴隷化したものである。臣は俘虜などの異族、これを聖器で清めて用いた。贓は賄賂として贈るものであるが、もとは償贖として行うことであった。

[熟語]
臧汚・臧獲・臧去臧穀臧罪臧聚臧匿臧否臧物臧貶臧僕臧命臧賄
[下接語]
允臧・偕臧・否臧

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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