日本大百科全書(ニッポニカ) 「自動火災報知設備」の意味・わかりやすい解説
自動火災報知設備
じどうかさいほうちせつび
火災を初期の段階で自動的に感知し、警報を発して建物内にいる人たちに火災の発生を知らせる設備で、火災感知器、発信機、中継器、受信機、音響装置等で構成される。
(1)火災感知器 温度を感知する熱感知器と、煙を感知する煙感知器、炎から発せられる紫外線や赤外線を感知する感知器とがある。
(2)発信機 火災を発見した人が手で操作して信号を送るためのもので、発信はできるが同時に通話はできないP型発信機(階段口など建物内の要所にあってベルなどを鳴動させる)と、送受信器を取り上げたときに受信機に火災信号を送り、送受相互間で同時通話ができるT型発信機がある。
(3)中継器 火災感知器からの信号、あるいは発信機からの信号を受けて、これを新たな信号として発信するものである。
(4)受信機 火災感知器もしくは発信機から発せられた信号を中継器を介して受信し、火災の発生した場所を表示するとともに、各音響装置を鳴動させる。連動作用に必要なリレーおよび試験装置を備えており、消火・非常警報・火災のための諸表示・エレベーターの強制帰着・空調運転停止のための装置等を接続し、これらの装置を監視制御することができる。
(5)音響装置 火災感知器あるいは発信機から火災信号を受信した受信機は、音響装置を鳴動させ火災が発生したことを報知する。
[窪田和弘]