日本大百科全書(ニッポニカ) 「自律神経節遮断薬」の意味・わかりやすい解説
自律神経節遮断薬
じりつしんけいせつしゃだんやく
自律神経節の伝達を遮断する薬物。臭化ヘキサメトニウム、酒石酸水素ペントリニウム、塩酸メカミルアミン、カンシル酸トリメタファンなどがある。これらはとくに交感神経節を遮断して、細動脈を拡張し、血圧を降下させることから、血圧降下剤として用いられる。トリメタファンは外科手術時の高血圧の処置や低血圧維持のために注射で用いられる。ヘキサメトニウムは化学構造上炭素の数が6であるところからC6と略称され、ペントリニウムは同じくC5と称された。ヘキサメトニウム、ペントリニウム、メカミルアミンは副作用が大きいため、他の血圧降下剤が開発された現在では、臨床にはほとんど使用されていない。
[幸保文治]