自得記流(読み)じとくきりゅう

精選版 日本国語大辞典 「自得記流」の意味・読み・例文・類語

じとくき‐りゅう‥リウ【自得記流】

  1. 〘 名詞 〙 槍術管槍)の一派。江戸初期に、一旨流の祖松本定好に師事した羽後上ノ山の城主、土岐山城守頼行が、同藩に配流された沢庵和尚に参禅して自得したと伝えられる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「自得記流」の意味・わかりやすい解説

自得記流
じとくきりゅう

槍術(そうじゅつ)(管槍(くだやり))の一流派。流祖は羽州(うしゅう)上ノ山(かみのやま)(山形県上山市)藩主・土岐山城守頼行(ときやましろのかみよりゆき)(1608―84)。彼は幼少から槍術を好み、1629年(寛永6)松本理左衛門定好(さだよし)に一旨(いっし)(一指)流の奥義を受け、たまたま紫衣(しえ)事件で同藩にお預けになった沢庵(たくあん)に師事し、自ら妙悟するところを加味して、自得記流と称し、藩中に学ばせた。家臣の上村小左衛門忠徳(かみむらこざえもんただのり)がその伝を継ぎ、以後、同藩の御流儀(ごりゅうぎ)として、駿州(すんしゅう)(静岡)田中、上州(群馬)沼田へ転封後もよく伝系をつなぎ、幕末には、講武所槍術師範役を勤めた平岩次郎大夫(ひらいわじろうだゆう)(駿河守(するがのかみ))を出した。

[渡邉一郎]

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