自然国境論(読み)しぜんこっきょうろん(その他表記)frontière naturelle

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「自然国境論」の意味・わかりやすい解説

自然国境論
しぜんこっきょうろん
frontière naturelle

フランス国土ピレネーアルプスライン大西洋というように自然の山河境界として考える思想。この説は,絶対主義政治の確立過程と深い関連性をもち,リシュリューや J.マザランによって主張され,当時の侵略戦争はフランスの歴史的権利の回復にすぎないとされた。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「自然国境論」の解説

自然国境論(しぜんこっきょうろん)
frontière naturelle

一般には自然地理的境界に国境を求める考えをいうが,歴史的には特に16世紀以後フランスで主張されたライン川を国境とする要求をさす。ライン左岸の確保はこの時期のフランス外交,ひいてはヨーロッパ政治史の焦点一つであった。

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