日本大百科全書(ニッポニカ) 「航海訓練所」の意味・わかりやすい解説
航海訓練所
こうかいくんれんじょ
船員養成施設から実習生を受け入れ、航海訓練を実施する国土交通省所管の独立行政法人。英語名はNational Institute for Sea Training、略称NIST。独立行政法人航海訓練所法(平成11年法律第213号)に基づいて2001年(平成13)設立。本部は横浜市中区北仲通。1943年(昭和18)逓信(ていしん)省海務院に航海訓練所が設置されたことに始まる。1945年、運輸省に所属変更、2001年1月「中央省庁等改革」によって国土交通省に所属変更し、同年4月独立行政法人に移行した。
航海訓練所は、東京海洋大学海洋工学部、神戸大学海事科学部、商船高等専門学校、国立海上技術短期大学校、国立海上技術学校、海技大学校などから委託を受け、その学生に航海訓練を実施している。また、政府開発援助(ODA)の一環として開発途上国の船員教育機関の卒業生などに対する乗船基礎訓練を行っている。航海訓練のほかに、航海訓練の方法、船舶の運航技術、海洋環境保全や安全と衛生などの海技・海事に関する調査研究活動も行っている。訓練・研究のために、帆船日本丸、海王丸、蒸気タービン機関船大成丸、ディーゼル機関船銀河丸、青雲丸の5隻の練習船を所有している。本部のほかに、神戸分室(兵庫県神戸市)、乗船事務室(東京都中央区)がある。2011年3月時点での資本金は48億1200万円、職員数は421人。
[編集部]