海上勤務者を養成する学校、すなわち商船大学、海洋大学、商船高等専門学校、水産大学、水産高等学校、海上保安大学校、海上保安学校、あるいは各大学水産学部および海洋学部などにおいて、学生のための海上勤務に必要な実習訓練を行うことを目的として使用する船舶。船種においてもその規模においても各種のものがある。そのうちもっとも代表的なものとして国土交通省航海訓練所に所属する航海練習船がある。2001年(平成13)1月現在、同所の航海練習船は、日本丸(帆船)、海王丸(帆船)、北斗丸(汽船)、大成丸(汽船)、銀河丸(機船)、青雲丸(機船)である。なお、航海訓練所は、独立行政法人航海訓練所法(1999年12月22日公布、2001年1月6日施行法律213号)により、独立行政法人化された。それ以前は、長らく運輸省に属し、2001年1月の省庁再編時には国土交通省の管轄とされ、以降も主務省は国土交通省となる。
漁業練習船としては、海洋大学をはじめ大学水産学部がそれぞれ所有している、漁労科学生の操船と漁業の実習訓練のためのものがある。また大学海洋学部における操船と海洋調査および実習訓練のためのものがあり、これらは大部分が航洋船としての大型のものが多い。さらに、学内練習船として航行区域も狭い小型練習船や、航海をしない係留練習船、あるいは陸上に固定してある陸上練習船なども同じ目的のものとして存在する。
[茂在寅男]
船の乗組員を養成する目的で乗船実習に供せられる船。民間用の航海練習船および漁業練習船,軍用の練習艦などがある。日本では商船船員養成のための航海練習船は運輸省航海訓練所に属し,商船大学や商船高校の航海科,機関科の学生・生徒の運航,操船の訓練に用いられる。汽船と帆船があり,大型汽船は総トン数6000トン程度で,機関部技術修得のためディーゼル主機および蒸気タービン主機搭載のものがある。帆船は操帆訓練などを通じて船員としての身心の錬磨,慣海性など資質の養成および基本的海事技術の修得のための練習船である。日本丸(1984竣工)は,2570総トン,全長110m,4本マストのバーク型で,帆数36枚,総帆面積約2760m2,マスト高さ約55.5mの大型外洋帆装練習船である。漁業練習船は,水産関係の大学・学部や水産高校の学生・生徒の漁業や漁船の運航などの実地練習に用いられる。トロール,はえなわ,流し網などの漁労装置を有するが,近年は漁業調査,海洋観測などを実施する設備も有している。
執筆者:国武 吉邦
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...
12/17 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
11/21 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新