船主責任制限(読み)せんしゅせきにんせいげん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「船主責任制限」の意味・わかりやすい解説

船主責任制限
せんしゅせきにんせいげん

海運業を保護奨励するために,船主 (→船舶所有者 ) に認められた有限責任制度。日本の商法は従来委付主義を採用していたが,1975年の船主責任制限法 (昭和 50年法律 94号,正式には「船舶の所有者等の責任の制限に関する法律」という) により,金額責任主義を採用し,責任を制限しようとする債権が物的損害のみの場合とその他の場合に分けている。船主責任制限法は,57年の船主責任制限条約を批准し,国内法化したものである。その後,57年の条約の不備の是正・改善をはかる 76年海事債権責任制限条約が成立し,わが国は 72年にこの条約に加入するとともに (1986年発効) ,船主責任制限法を改正している。

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世界大百科事典(旧版)内の船主責任制限の言及

【船主】より

…日本の船主が船舶賃貸借契約や定期傭船契約により,外国船舶を利用することもある。
[船主責任制限制度]
 船主が海上企業を遂行するにあたって負担した一定の債務については,有限責任とすることが,古くから各国において認められている。ローマ法においても,この制度は存在したようであるが,現在のような制度は,中世までさかのぼることができるとされている。…

※「船主責任制限」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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