花岡市(読み)はなおかいち

日本歴史地名大系 「花岡市」の解説

花岡市
はなおかいち

[現在地名]下松市大字末武上

末武すえたけ平野の北西、山陽道沿いに開けた市で、萩藩領都濃宰判の勘場(代官所)があった。

花岡の地名は「注進案」によれば、この地に鎮座する八幡宮に「往昔七里香と申樹木有之、大サ七抱半廻り之大木之由、花咲候節は郷中匂ひ薫ジ、落花之時は夥敷散乱いたし、故山号も花岡山と名付たるよし」という。

山陽道の駅として「延喜式」に載る「生屋」がこの付近とされ、中世近世を通じても山陽道では重要視された宿駅の一つである。伊勢神宮の御師が祓札を配る手控とした中国九州御祓賦帳の永禄七年(一五六四)分に「はな岡 やうりん坊」とあるのをはじめ、天正二〇年(一五九二)四月、豊臣秀吉が九州に下向した折の文書(慶応大斯道文庫所蔵)にも「十六日 はなをか御とまり」とあり、この地に宿泊している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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