御茶屋(読み)おちゃや

精選版 日本国語大辞典 「御茶屋」の意味・読み・例文・類語

お‐ちゃや【御茶屋】

〘名〙 (「お」は接頭語)
茶の湯の室。茶室
② 路ばたで、人を休憩させ、茶や菓子などを売る店。茶店(ちゃみせ)。また、庭園などに設けた休憩用の建物掛茶屋
③ 種々の製茶を売る店。葉茶屋。茶舗
④ 劇場に付属して、案内、休憩、食事などの用を便じた店。芝居茶屋
※歌舞伎・時桔梗出世請状(1808)二幕「お大名の奥様の御見物だ。〈略〉お茶屋(チャヤ)はどれに致しませうな」
⑤ 客に飲食、遊興をさせる料理屋。料理茶屋。
滑稽本浮世床(1813‐23)二「勿論お茶屋(チャヤ)は三年ふさがり」
遊郭で、客を妓楼に案内する店。引き手茶屋。
安愚楽鍋(1871‐72)〈仮名垣魯文〉初「これサお茶屋の人このきゃくじんは〈略〉二会(うら)に来なましたお客だますヨ」

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防府市歴史用語集 「御茶屋」の解説

御茶屋

 萩藩主[はぎはんしゅ]が休んだり、泊まったりするために造られた建物です。萩往還[はぎおうかん]沿いには三田尻山口・佐々並の3つがありました。その中でも三田尻と山口の御茶屋は長期滞在ができる施設でした。

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世界大百科事典(旧版)内の御茶屋の言及

【御殿・御茶屋】より

…御殿とは元来,天皇の清涼殿などをさし,後には貴族や大名・社寺の殿舎をふくめていうようになったが,各時代の殿舎構成は,古代は寝殿,中世は主殿,近世は書院を中核としていた。一方,御茶屋は戦国大名などが領内を巡歴,遊猟する途次,休憩して茶の湯を興行する茶亭にはじまり,江戸時代には大名の参勤交代時の休泊所としても利用された。御旅屋,御仮屋なども同様である。…

※「御茶屋」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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