花輪郷(読み)はなわごう

日本歴史地名大系 「花輪郷」の解説

花輪郷
はなわごう

甲府盆地南部の釜無川左岸で、釜無・笛吹両川の合流点近くに位置する中世郷。鼻和・鼻輪・花和とも書き、花輪村ともある。「一蓮寺過去帳」には永享九年(一四三七)頃の六月一二日供養の臨阿弥陀仏に鼻和と注記される。永禄四年(一五六一)の番帳の三八番の「はなわの禰き」は西花輪の八幡神社神主をさすとみられる。同社は翌五年小池四郎右衛門との争論を経て認められた西花輪の内の神領四五〇文の地を、天正一五年(一五八七)一二月二三日安堵されている(「徳川家奉行連署証文写」社記)。永禄七年および同一二年に娘と妻の供養を紀州高野山で行っている「甲州中郡ハナワ村」在住の田中豊前守について(武田家日坏帳)、「甲斐国志」は安田義資末裔で虎範を称し武田氏に仕えたが、その跡は孫兵部広泰―弥多衛門昌道―弥右衛門昌重と継承され、昌重の時に隣村一町畑いつちようはた(現玉穂町)に土着したといい、当郷域を西花輪・東花輪・一町畑を含む地域に比定している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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