最新 地学事典 「芽室岳斑糲岩体」の解説
めむろだけはんれいがんたい
芽室岳斑糲岩体
Memurodake complex
日高山脈北部の日高変成帯にあり,パンケヌシ斑れい岩体の東側の東西8km×南北16kmの斑れい岩体。かんらん石を含まず,斑れい岩・角閃石斑れい岩・閃緑岩・トーナル岩などからなり,細粒で優黒質と粗粒で優白質の不均質な産状を示し,苦鉄質マグマと珪長質マグマの混合で形成されたことを示す。苦鉄質端成分は西側に,珪長質端成分は東側(上位)にあった。全岩Sr・Nd同位体比は広い範囲を示すが,苦鉄質端成分はパンケヌシ岩体と同様のNタイプ中央海嶺玄武岩の性質を示し,下位の苦鉄質マグマ溜まり(パンケヌシ岩体)から上位に供給されたと考えられる。下位の苦鉄質マグマ溜まりにおける同化作用を伴う結晶分化作用に珪長質マグマとの混合作用が複合した組成変化傾向は,全岩化学組成ではカルクアルカリ質系列である。優白質部の閃緑岩のK-Ar全岩年代(17.1±0.9Ma)が報告されており,日高火成活動の19-18Ma期の活動である。参考文献:前田仁一郎(1997) 火山,Vol.42,「マグマ」特別号: S107
執筆者:前田 仁一郎
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

