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閃緑岩 せんりょくがんdiorite

翻訳|diorite

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

閃緑岩
せんりょくがん
diorite

完晶質,顕晶質,等粒組織の中性火成岩深成岩ないし貫入岩として産する。化学組成上,火山岩ではカルク・アルカリ岩系 (または紫蘇輝石質岩系) の安山岩に相当する。灰長石成分 20~50%程度の斜長石角閃石および黒雲母を主成分とし,色指数は 30~40程度。花崗閃緑岩および斑糲岩との区分の基準は,カリ長石の量が全長石量8分の1以上のものを花崗閃緑岩とし,また,主要苦鉄質鉱物として輝石類を含み,色指数 40以上のものを斑糲岩として閃緑岩と識別する。

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岩石学辞典の解説

閃緑岩

粗粒~中粒の顕晶質の岩石で,アンデシンと,角閃石,黒雲母,単斜輝石,斜方輝石の1種またはそれ以上のマフィック鉱物を含むもの.角閃石が特徴的である.少量の石英とカリ長石を含んでいる.少量の橄欖(かんらん)石を含むものもある.安山岩に相当する粗粒岩である.20%くらいまでの石英を含むものを石英閃緑岩という[d'Aubuisson : 1819].現在は閃緑岩と輝緑岩の区別がはっきりしているが,昔は閃緑岩は他の岩石とともに緑色岩に含まれていた岩石である.閃緑岩という名称はドレライトとともにアウイにより提唱されたものをドウビソンが紹介し[d'Aubuisson : 1819],さらにアウイ自身が発表している[Haüy : 1822].閃緑岩はドレライトに対して命名された語で,閃緑岩という語はギリシャ語のdiorizeinで判然とした(distinct, clear distinction),あるいは境界を示す(to delimit)ということを表しており,一方ドレライトという語はあいまいな(deceptive)ことを意味する.輝緑岩の命名者であるブロニアールもアウイの閃緑岩の命名に賛意を表し,輝緑岩はドレライトが変質したものに相当するものと述べている[Brongniart : 1827].閃緑岩は命名された当時より,長石および角閃石が主体でオフィティック構造を欠くことから輝緑岩やドレライトとは容易に区別されており,現在でも他の岩石とは混同されにくい独立した重要な岩石である.日本語では1884年に小藤文次郎が緑岩としたが,中島謙造が1886年に閃緑岩とした[歌代ほか : 1978].

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大辞林 第三版の解説

せんりょくがん【閃緑岩】

深成岩の一。安山岩とほぼ同じ化学組成をもち、完晶質で中粒ないし粗粒。主に斜長石・角閃石から成り、輝石・黒雲母・石英を伴う。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

閃緑岩
せんりょくがん
diorite

おもに斜長石とホルンブレンドからできている粗粒で完晶質の火成岩。化学組成はカルクアルカリ系列の安山岩に似る。斜長石の量は長石全体の3分の2以上。半自形粒状の組織をもつのが普通である。構成鉱物は斜長石(中性長石(アンデシン)―灰曹(かいそう)長石(オリゴクレース))、ホルンブレンドのほか、黒雲母(くろうんも)と少量の石英(5%以下)、アルカリ長石、磁鉄鉱、チタン鉄鉱、燐灰(りんかい)石、チタン石、ジルコン、ときには紫蘇(しそ)輝石(ハイパーシン)、普通輝石(オージャイト)などである。石英とアルカリ長石は斜長石の結晶の間を埋める形をとることが多い。石英を5~20%含む場合には石英閃緑岩とよぶ。閃緑岩だけからなる岩体は小規模な岩脈、シル、岩株などで、きわめて少ない。閃緑岩の多くは造山帯に石英閃緑岩、花崗(かこう)閃緑岩、花崗岩、斑糲(はんれい)岩の大規模な岩体の一部分として出現する。[千葉とき子]

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