苛らぐ(読み)イララグ

デジタル大辞泉 「苛らぐ」の意味・読み・例文・類語

いらら・ぐ【苛らぐ】

《「いららく」とも》
[動ガ四]
角張る。突っ張る。
「こはごはしう―・ぎたる物ども着給へる」〈手習
寒さなどで、鳥肌が立つ。
「いと寒げに、―・ぎたる顔して持て参る」〈橋姫
[動ガ下二]いららがす」に同じ。
「目を―・げ歯がみをして」〈太平記・二六〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「苛らぐ」の意味・読み・例文・類語

いらら・ぐ【苛】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 ガ四段活用 〙
    1. 物の形状が突き出たようになる。かどだつ。ごつごつする。いかる。
      1. [初出の実例]「顔つきただ駒のやうに、鼻いららぎたる事限りなし」(出典:落窪物語(10C後)二)
      2. 「こはごはしう、いららぎたる物ども着給へるしも、いとをかしき姿なり」(出典:源氏物語(1001‐14頃)手習)
    2. (寒さなどにより)鳥肌が立つ。
      1. [初出の実例]「いと寒げに、いららぎたる顔して」(出典:源氏物語(1001‐14頃)橋姫)
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 ガ下二段活用 〙 ( 「いららく」とも ) =いららがす(苛)
    1. [初出の実例]「鼻の穴よりは人通りぬべく、吹きいららげて臥(ふ)したるに」(出典落窪物語(10C後)二)
    2. 「声(こゑ)をいららげ色を損(そんじ)て」(出典:太平記(14C後)一〇)

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