若年者にみられる歯周炎(読み)じゃくねんしゃにみられるししゅうえん(その他表記)Periodontitis in juveniles    

六訂版 家庭医学大全科 「若年者にみられる歯周炎」の解説

若年者にみられる歯周炎
じゃくねんしゃにみられるししゅうえん
Periodontitis in juveniles    
(歯と歯肉の病気)

 若年者にみられる歯周病は、一般的には歯肉炎ですが、まれに若年者にも歯周炎がみられることがあります。歯周炎を除き、全身的に健康であるが、歯槽骨や付着機構が急速に破壊されることから侵襲性(しんしゅうせい)歯周炎とも呼ばれます。また、家族内に発症することを特徴とします。

①思春期前歯周炎

 主に遺伝によって起こると考えられています(パピヨン・ルフェーブル症候群)。

②若年性歯周炎

 遺伝による体質、とくに体の防御機構に関係する白血球の機能の低下に加えて、特殊な細菌(アグレガチバクター〈アクチノバチラス〉・アクチノマイセテムコミタンス)の感染によって起こる歯周炎です。

 全身的には異常は認められず、特定の永久歯の歯周組織が急速に破壊されるのが特徴です。とくに、上下左右の前歯(切歯)および第一大臼歯を中心に病変が起こる型(限局型)と、口のなか全体に破壊が起こる型(広範型)があります(図34)。

 プラークの量が少ないのと、1本あるいは数本に限って病変が出ること、また周囲の歯肉も健康、あるいは歯肉炎程度であることから、たいしたことはないと素人判断しがちで発見が遅れることが少なくありません。前歯のすきまがあいてきた、奥歯に物がはさまるようになった、少し歯が動くなどの症状がある場合は、なるべく早く歯科医を受診し、専門的にみてもらうことをすすめます。


出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報

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