若松名(読み)わかまつみよう

日本歴史地名大系 「若松名」の解説

若松名
わかまつみよう

薩摩国建久図田帳には薩摩郡公領のうちに若松五〇町がみえる。名主は在庁大蔵種明、地頭島津忠久であった。これより先の文治三年(一一八七)一〇月二五日、伴三子からその父薩摩国大目伴信明先祖相伝の所領である若松名内と羽島はしま(現串木野市)を加えた一三町が妹に譲られている(「伴三子譲状」延時文書)。伴三子は大蔵種明の妻と考えられている。この譲状にみえる若松名一三町の内訳は字尋田五段・口町一町・畠田三段・垣尻三段・又平田一町・海町一町・中腹比七段・川口五段・加治目迫五段・小峯本二段・川良田七段・早水尻四段・赤早水二段・桑木丸七段・柳田五段・智聖房作七段・石本五段である。伴三子の妹が平姓薩摩郡司一族の平忠友に嫁したことにより、若松名は忠友の子孫に相伝されることになったと考えられる。寛元元年(一二四三)九月一三日(二三日か)平忠友の息忠茂(忠持)は、いったん次男忠継に譲った本若松名主職を子息徳夜叉丸(忠重)に譲り直し、忠継に改めて串木野・若松名一曲を譲った(「平忠茂譲状」旧記雑録)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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