石上(読み)イソノカミ

デジタル大辞泉の解説

いそのかみ【石上】[姓氏]

姓氏の一。
[補説]「石上」姓の人物
石上麻呂(いそのかみのまろ)
石上宅嗣(いそのかみのやかつぐ)

いそのかみ【石上】[地名]

奈良県天理市の石上町・布留(ふる)町の辺り。[歌枕]
[枕]にある地名「布留(ふる)」に、さらにそれと同音の「降る」「振る」「古る」などにかかる。
「―降るとも雨につつまめや」〈・六六四〉
「―古き都のほととぎす」〈古今・夏〉

せき‐じょう〔‐ジヤウ〕【石上】

《古くは「せきしょう」》石の上。「樹下石上

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大辞林 第三版の解説

いそのかみ【石上】

◇ ( 名 )
奈良県天理市石上付近の地名。⦅歌枕⦆ 「 -古き宮この郭公声ばかりこそ昔なりけれ/古今
( 枕詞 )
〔石上郷に布留ふるという土地のあることから〕 「降る」「古る」「古し」などにかかる。 「 -降るとも雨につつまめや/万葉集 664

いそのかみ【石上】

姓氏の一。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

石上
いそのかみ

奈良県北部、天理市の石上町から布留(ふる)町にかけての地区。大和(やまと)高原から流れ出る布留川が形成した扇状地一帯をいい、古くは石上布留(いそのかみふる)と称し、『日本書紀』に記され、『万葉集』などにもよく詠まれている。現在の石上町は上(かみ)街道に沿う街村として発達し、布留町は鎮座する石上神宮の別称布留社に由来するといわれる。山辺(やまのべ)の道に沿う石上神宮は旧官幣大社。布留川の扇状地には主として縄文後期の布留式土器を出土する布留遺跡があり、近くの天理参考館で出土品が展示されている。[菊地一郎]

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精選版 日本国語大辞典の解説

いす‐の‐かみ【石上】

※書紀(720)武烈即位前「伊須能箇瀰(イスノカミ)布留を過ぎて、薦枕(こもまくら)高橋過ぎ」

いそのかみ【石上】

[1]
[一] 奈良県天理市石上・布留(ふる)付近の地域名。「日本書紀」によれば、安康天皇の石上穴穂宮(いそのかみのあなほのみや)、仁賢天皇の石上広高宮があった。石上神宮、布留遺跡がある。歌枕。
[二] 石上神宮。いそのかみのみや。
[2]
① (一)(一)の中の地名。「ふる」にかかる。「いすのかみ」とも。
※書紀(720)顕宗即位前・歌謡(図書寮本訓)「石上(イソノカミ)(ふる)の神榲(かみすき)〈榲、此をば須擬と云ふ〉本(もと)(き)り」
※古今(905‐914)恋四・六七九「いその神ふるの中道なかなかに見ずはこひしとおもはましやは〈紀貫之〉」
② 地名「ふる」と同音の「降る」「振る」「古る」「古し」、「古し」また「古る」と類義の「珍しげなし」にかかる。
※万葉(8C後)四・六六四「石上(いそのかみ)降るとも雨につつまめや妹にあはむと言ひてしものを」
※古今(905‐914)雑体・一〇二二「礒のかみふりにし恋の神さびてたたるに我はいぞねかねつる〈よみ人しらず〉」
[3] 〘名〙 (「古る」にかかる枕詞から転じて)
① 古くなったもの。
※大和(947‐957頃)四六「白露のおきふし誰れを恋ひつらんわれは聞きおはずいそのかみにて」
② 昔。往昔。
※源氏(1001‐14頃)御法「げにいそのかみの世々を経たる御願にやとぞ見えたる」

せき‐じょう ‥ジャウ【石上】

〘名〙 (古くは「せきしょう」) 石の上。
※文華秀麗集(818)下・得曝布水〈桑原腹赤〉「巖頭照日猶零雨、石上無雲鎮聴雷」
※浄瑠璃・国性爺合戦(1715)千里が竹「両方共に息つかれ石上につっ立ば、虎も岩間に小首をなげ、大息ついだる其ひびき」 〔戦国策‐趙策下・恵文王下〕

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