出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
岐阜県南西部にある繊維工業都市。市域は木曽(きそ)、長良(ながら)両川に挟まれ、1954年(昭和29)竹ヶ鼻町と足近(あぢか)、小熊(おぐま)、正木(まさき)、福寿、江吉良(えぎら)、堀津(ほっつ)、上中島、下中島、桑原の9村が合併して市制施行。おもな町並みは竹鼻地区に開け、商業の中心地をなしている。ここは戦国時代に城が築かれた所で、付近一帯で江戸時代から織物が織られ、1950年ごろからは毛織物の機業が発展し、毛織物を中心に化繊織物などが生産されている。繊維工業の出荷額は県下で上位にあり、羽島市の全製品出荷額の約2割を占める(2019)。最近では繊維工業のほか、輸送用機械や生産用機械の製造工業も進出し、多様化がみられるようになった。JR東海道新幹線岐阜羽島駅と岐阜、大垣、一宮(いちのみや)などの各都市への道路交通が整備されている。また、名古屋鉄道の竹鼻・羽島の2線が通じ、名神高速道路岐阜羽島インターチェンジがある。市の南部、桑原町午南(うまみなみ)に羽島温泉がある。江戸時代初期の仏像彫刻で知られる円空(えんくう)の出身地で、その作品が多く残っている。面積53.66平方キロメートル、人口6万5649(2020)。
[上島正徳]
『『羽島市史』全5巻(1964~1971・羽島市)』
岐阜県南西部の市。1954年竹ヶ鼻町と足近(あぢか)村,正木村など9村が合体,市制。人口6万7197(2010)。東は木曾川,西は長良川にはさまれたはんらん平野にあり,市街地は竹鼻地区で,周辺の農村地域に都市化が進んでいる。中世までは尾張国に属したが,1586年(天正14)の洪水で木曾川の川筋が現在の流路に変わり,江戸初期に美濃国に編入された。古くからの織物地帯で,明治初期まで木綿縞,大正ころまでは絣,第2次世界大戦後は毛織物を中心とする化繊織物の生産を行い,現在も市の就業者数および製造品出荷額の大部分を占めている。工場の大部分は尾西機業地の下請を主とする農家の家内工業である。1964年に東海道新幹線が開通して岐阜羽島駅が田園の中に設置されたが,その後,岐阜市に通じる道路の整備や木曾川,長良川,揖斐(いび)川の架橋が行われて市域南部の東西交通が発達した。83年名神高速道路岐阜羽島インターチェンジが開設され,また岐阜と新羽島駅を結ぶ名鉄竹鼻線(2001年江吉良~大須間廃止)・羽島線が通り,市の南部にも都市化が進みつつある。
執筆者:高橋 百之
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…尾張国中島郡(現,岐阜県羽島市南部,海津郡海津町北東部あたり)の荘園。河東4郷,河西6郷よりなる。…
※「羽島」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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