若道(読み)ジャクドウ

デジタル大辞泉 「若道」の意味・読み・例文・類語

じゃく‐どう〔‐ダウ〕【若道】

《「じゃく」は「若衆道」の「若」を音読したもの》男が少年を愛すること。男色。にゃくどう。
女道のいやしく―の華奢なる道を問答し」〈仮・田夫物語

にゃく‐どう〔‐ダウ〕【若道】

男色の道。じゃくどう。
「―になづまず傾城嫌ひ」〈浮・栄花一代男〉

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精選版 日本国語大辞典 「若道」の意味・読み・例文・類語

じゃく‐どう‥ダウ【若道】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「じゃく」は「若衆(わかしゅ)」の「若」を音読したもの ) 若衆と情を通じること。男性が少年を愛すこと。衆道(しゅどう)
    1. [初出の実例]「もろこしにも若道(ジャクダウ)はある事にて、〈略〉栽尾とかや名づくめり」(出典仮名草子東海道名所記(1659‐61頃)一)

にゃく‐どう‥ダウ【若道】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「にゃく」は「若衆道(わかしゅどう)」の「若」を音読したもの ) 若衆と情を結ぶこと。男色の道。衆道(しゅどう)。じゃくどう。〔運歩色葉(1548)〕
    1. [初出の実例]「若道(ニャクダウ)になづまず傾城嫌ひ」(出典:浮世草子・浮世栄花一代男(1693)三)

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世界大百科事典(旧版)内の若道の言及

【男色】より

…とくに戦国時代には,尚武の気風からことさらに女性をさげすみ,男色を賛美する傾向が強まった。その中から,男色における兄分(念者(ねんじや),念人(ねんにん))と弟分(少人(しようじん),若衆)との間の倫理的契約(義理,意気)を重んじた衆道(しゆどう),若道(にやくどう)の成立をみるにいたった。こうした男色流行は江戸時代の前期に受けつがれ,士,僧のほか一般庶民の間にもその風がひろまり,若衆歌舞伎の発展はこれを助長するとともに,男色を売る男娼――陰間(かげま)が出現するに及んだ。…

※「若道」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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