朝日日本歴史人物事典 「英甫永雄」の解説
英甫永雄
生年:天文16(1547)
安土桃山時代の臨済宗夢窓派の僧。別に武牢,小渓,芳洲とも号した。若狭(福井県)の人,武田信重の子。同族の出身である建仁寺(京都)の文渓永忠に就いて学び,諸方遊歴の後にその法を嗣ぐ。夢窓派と併せて幻住派の法をも嗣いでいる。建仁寺如是院に住し,天正14(1586)年建仁寺住持となり,文禄3(1594)年南禅寺に昇住した。相国寺鹿苑院の 西笑承兌 や林羅山と親交があり,羅山の学問には大きな影響を与えた。連句,和歌にもすぐれたが,特に狂歌を好み,近世狂歌の祖とされる。<著作>『羽弓集』『雄長老詠百首狂歌』『倒痾集』
(中尾良信)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報