茶立女(読み)ちゃたておんな

精選版 日本国語大辞典 「茶立女」の意味・読み・例文・類語

ちゃたて‐おんな‥をんな【茶立女】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 茶店で茶をたてて客に給仕する女。茶くみ女。茶立て。
  3. 江戸時代大坂遊女一種茶屋料理屋)に雇われ、客に給仕をする女であるが、実際には遊女と変わらなかった。茶くみ女。茶立て。
    1. [初出の実例]「茶屋女は、茶店に一人宛、茶(チャ)たて女とてあり」(出典評判記色道大鏡(1678)一四)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の茶立女の言及

【私娼】より

…したがって各地に多くの私娼が出現し,なかには堂々と営業を続けて,公娼をしのぐほどのものも珍しくはなかった。表面上は公娼制堅持の幕府にとって,私娼はすべて隠売女(かくしばいじよ)であったが,法令に出てくる名称だけでも風呂屋女,茶屋女,茶立女(ちやたておんな),給仕女,女踊子,綿摘(わたつみ),比丘尼(びくに),芸者などがあり,その存在を見過ごせなかった事情を物語っている。実際の私娼の名称は,俗称を含めてはるかに多く,表向きの職業や居住地名にちなんで命名されている。…

【茶屋】より

…遊郭にも太夫を呼ぶ揚屋に対し,下級妓を招く茶屋(または天神茶屋)があったから,〈茶屋遊び〉といえば遊所への出入りを意味した。色茶屋の女に,茶屋女,茶立女,茶汲女,山衆(やましゆう)などいろいろな呼名が与えられたのは,類似商売の多様化を示すが,遊郭が認められない場合に茶屋として営業する例は多く,地方都市で茶屋町といえば私娼(ししよう)街のことであった。徳川幕府は茶屋や茶屋女を取り締まり,延宝(1673‐81)以後おもに数量規制で対処したが,実効は薄かった。…

※「茶立女」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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